北から南まで、全国の絶品銘柄牛10選

みなさんはお肉といえば、何が好きですか?
国産和牛の評価は年々高まり、今や世界中の食通を唸らせる憧れの食材になりました。全国各地に名だたるブランドが群雄割拠する今、旅先に求めるのは、やはり“おいしい”ですよね。今回は、全国のおすすめ銘柄牛と産地をご紹介します。

【北海道】白老

北海道を代表する「白老牛」は、白老町の恵まれた自然で育った、奥深いコクのあるまろやかな味が特徴です。「テンダーロイン」や「サーロイン」などで食べると肉本来の旨みが味わえます。赤身に脂質のサシが入った霜降り肉は見た目も美しく、口に入れるととろけるようなおいしさです。


毎年6月に開催され、2日間で約5万人が訪れる「白老牛肉まつり」ではBBQ用の白老牛をはじめ、白老産黒毛和牛100%のハンバーグやまつり会場限定の白老バーガーなど、数多くの商品が販売されます。会場には1,200個の炭火焼コンロも用意されており、白老牛をその場で焼いて食べることができる人気イベントです。今年は5年ぶりの開催で、2024年6月1、2日に行われます。ぜひ、青空の下で炭火で焼いた白老牛を思いっきり堪能してみませんか。

【北海道】十勝ナイタイ和牛

町の約80%を山地と原野が占めている上士幌町が、エリア一丸となって生産している「十勝ナイタイ和牛」。十勝ナイタイ和牛は、5等級・4等級のみに称号が与えられ、十勝産の黒毛和牛かつ上士幌町で肥育されていることが条件の和牛です。約5年かけて肥育マニュアルを製作し、霜降り和牛でありながらクドくなく、さっぱりとした口溶けと上品な味わいが特徴です。2015年にはミラノ博覧会のレセプションパーティーに出品され、贈答品としても高い人気を誇る和牛です。


きめ細かい肉質で柔らかく、すき焼きやハンバーグで食べてもあっさりと食べることができます。和牛のオリンピックと言われる「全国和牛能力共進会」に4度の出場実績があり、2007年には上位5位に当たる優等5席を受賞しました。 また、2016年には地域団体商標に登録されています。

【山形県】山形牛

山形県の豊かな自然の中で丹精込めて育てられる黒毛和牛が山形牛です。名前からして山形県のブランド牛だということは明白ですが、山形県のブランド牛といえば米沢牛を思い浮かべる方も多いかもしれません。じつは山形県産の和牛を総称したブランドが「山形牛」で、米沢牛ほか西川牛や天童牛など、それぞれ美味しい牛肉ばかりです。


寒暖差の大きな気候が生む絶品の肉質が特徴の「山形牛」。深い味わいとまろやかな脂質が魅力で、夏は暑く冬は寒いこと、昼夜の寒暖の差が大きい自然環境のなか、長期間丁寧に肥育されることで、きめ細やかな肉質、旨みが育まれるのです。肉のキメが細かく、食味が美味しいのは、他のブランド牛にはない、唯一無二のおいしさです。

【岩手県】前沢牛

奥州市前沢が誇る、前沢牛。鮮やかな霜降り、とろけるような舌ざわり、そして風味が見事にそろっている前沢牛。前沢牛は、一頭一頭を愛情豊かに大切に育てることで、そのおいしさを実現しています。また、前沢牛はどの料理でも最高の味わいを楽しむことができます。どれも一度は味わってみたいものばかりですが、特に『前沢牛のにぎり』などは、やみつきになる方が多いようです。


前沢地域では農家の結束が強く、生産者の間で連日のように「お茶のみ会」が開かれていました。それは情報交換と交流の場となり、地域一丸となった肥育体制が築かれました。研究と努力のかいあって、全国レベルで知られるおいしいお肉が生まれたのです。

【岐阜県】飛騨牛

全国有数のブランド和牛としての地位を築いた「飛騨牛」。岐阜県で飼育された黒毛和種の中でも、肉質はきめ細やかでやわらかく、美しい霜降りと口のなかでとろける芳醇な香りと味わいが特徴です。銘柄山紫水明と謳われる岐阜県の豊かな自然で育てられ、優れた技術をもつ生産者たちの手によって安全・安心にこだわり愛情深く手間暇かけて育てられています。


誕生して約40年と「飛騨牛」の歴史はそこまで古くはありません。しかし、自治体と生産者が一丸となって肉質とブランドの向上を図ったことで、今や世界的な銘柄牛にまでなりました。「飛騨牛」の”やわらかさ”、舌にとろける”うまみ”はまさに牛肉の芸術品です。

【三重県】松阪牛

神戸牛、近江牛と並ぶ、日本三大和牛の一角を占めるのが「松阪牛」。きめの細かい肉質とサシと、深みのある甘く上品な香りが特徴です。箸で簡単に切ることができるほど柔らかな肉質は、まさに「とろけるよう」と表現されます。また、和牛には「和牛香」という、和牛を熱したとき特有の香りがありますが、松阪牛の和牛香は、甘くコクを感じられる上品な香りがすると言われています。


A4・A5ランクなどが良質なお肉であることはわかりますが、そんな松阪牛の中でもさらに厳しい定義が設けられ、松阪牛の最高傑作といわれるのが「特産松阪牛」です。肉眼では見えないほどのきめ細やかなサシがる極上の霜降り肉は、通常の松阪牛よりも肥育にコストやリスクがかかるため、安定して仕入れることは難しいと言われています。貴重な「特産松阪牛」に巡り合えた際は、ぜひ味わってみたいですね。

【滋賀県】近江牛

日本には三大和牛と呼ばれる肉牛のブランド「近江牛」「神戸牛」「松阪牛」。その中でも、約400年という圧倒的な歴史を有するのが「近江牛」です。鮮やかな霜降り・厚く柔らかい肉質・味わい深い旨味・風味などに関わるオレイン酸の含有率が高く、口溶けと香りが特徴の近江牛は、まさに「牛肉の芸術品」と言えるでしょう。


滋賀県・琵琶湖畔の豊かな大地で育った近江牛は、きめ細かい滑らかな肉質で、融点(脂が溶け出す温度)が低いため、 胃もたれすることもなく、「究極の味と香りが楽しめて、まさに味の芸術品といっても過言ではない」と言われています。

【兵庫県】神戸牛

様々なブランド牛がある中で、ひときわ輝くのが「神戸牛」。「神戸ビーフ」とも呼ばれ、高級和牛の代名詞として世界的な知名度を持ちます。生産量の少ない兵庫県産但馬牛のなかでも高い基準をクリアした肉にだけに与えられる称号で、希少価値の高い牛肉といえます。極上の霜降りによる柔らかさはもちろんのこと、品のいい香りと肉質のよさによる甘みが特徴です。


神戸牛は「MUFA(オレイン酸を含む一価不飽和脂肪酸)」の割合が高いため、脂肪の風味・舌触り・口溶けがいいことが科学的にも証明されています。人肌の温度でとろける融点の低さから生まれる感動的な食体験は、世界中のセレブを虜にしています。

【熊本県】くまもとあか牛

4種類ある和牛のうち、わずか0.9%しか存在しない褐毛和種の多くが熊本で生産される「くまもとあか牛」です。阿蘇の高原で放牧され、牧草などを食べて育つため、和牛のなかでも希少で牛肉本来のうまみが存分に味わえるのが特徴です。適度な脂肪分と柔らかさは筆舌に尽くしがたい美味で赤身肉ならではのヘルシーさも備えています。


黒毛和牛に比べ、赤みが多いため、うまみ成分が 豊富に含まれています。余分な脂肪がなく、さまざまな料理に適しているのも人気の理由です。ヘルシーな肉牛として、近年の健康ブーム により注目を集め、人気を博しています。

【宮崎県】宮崎牛

日本屈指の黒毛和牛の産地である宮崎県。宮崎生まれ・宮崎育ちで、指定された種雄牛を父牛に持ち、肉質等級4等級以上の黒毛和種のみが名乗ることができる「宮崎牛」は、2022年に開催された全国和牛能力共進会で「内閣総理大臣賞」を4大会連続受賞しました。また、米国のアカデミー賞アフターパーティーに通算4度公式メニューに採用されたほか、国内の受賞歴も数多くあり、まさに“華々しい経歴”を持つエリートブランド牛といえるでしょう


宮崎牛の魅力はなんといっても、極上の肉質と濃厚なうまみであることはいうまでもありません。口に含むとほのかな甘みと芳醇な香りが広がり、牛肉独特の臭みやクセはほとんどありません。 さっぱりとした味わいは、良質な脂身だからこそ表現できる味だと言えるでしょう。

世界でも大人気!日本が誇る極上ブランド牛

農林水産省によると、令和3年時点で銘柄牛は全国で320種類以上あるといいます。地域の名前が付いたものも数多くあり、羨望のまなざしを集める銘柄も少なくありません。

これらはすべて和牛ですが、そもそも和牛にも品種があり、黒毛和種、褐毛(あかげ)和種、日本短角種、無角和種の4種が存在します。同じ牛肉でも品種によって肉質が変わり、同じ品種でも交配や育て方で脂の乗りや味が変わるのです。すなわち、ところ変わればおいしさが変わるということ。ぜひ、銘柄牛を巡る旅へと出かけてみましょう。

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